第31回発表会”小さな彩の音楽会”

去る12月4日、第31回発表会”小さな彩の音楽会”を彩の国さいたま芸術劇場小ホールにて開催しました。

今年の目標は一人一人がより音楽性のある演奏をすることとして大曲に挑みました。子供たちがどれ位達成できたかは演奏を聴いて明らかでした。皆、自分の技術を駆使して、自分なりの音楽的表現を追求してくれました。

第1部

第1部、独奏のレベルは年々高くなっていると感じます。要因は、バスティンの教材導入による基礎能力の向上と、レッスンの録画録音です。

スマホやビデオカメラ等の便利な機器を利用し、メモや記憶だけでは把握しきれない細かなニュアンスを家庭で再現できること、そして、繰り返し再生できるので、レッスンを何度も受けるのと同じ効果がもたらせることです。

さらに、You Tube等で実際の演奏を手軽に聴くことができるようになり、生徒の耳が肥え、演奏につながっていることは間違いありません。

時代に即したレッスン方法を追求し、また来年飛躍した子供たちの演奏を聴くのが楽しみです。

第2部

第2部はゲストコーナーです。今回はクリスマスシーズンに因んでハンドベルの演奏を楽しんでいただきました。プログラムは、クリスマスソング、スタジオジブリの曲、子供たちの好きなクラシック曲などです。

ハンドベルの仕組みや奏法に関する興味深いお話も伺え、とても勉強になりました。ホールは美しく澄んだ響きで満たされ、しばし魅了されるひとときでした。

第3部

第3部は恒例のミュージカル版アンサンブル演奏です。演目はもう一度見たいスタジオジブリ作品でNo.1の『千と千尋の神隠し』を選びました。この作品は13年前に初演し、今回は2度目の上演です。当時より音源も充実し、譜面の手直しも加えたことでさらに完成度の高いものとなりました。シナリオは、DVDを一から起こして作り直していただきました。それをキャスト全員で上映時間に収まるサイズにまで縮める作業は苦労しましたが、その甲斐あって完結で素晴らしいシナリオに仕上がりました。プロさながらのキャストの力演も好評を博しました。

アンサンブル演奏はどのグループも曲の雰囲気をよくとらえて劇中音楽としての要素を兼ね備えた音楽的にも素晴らしい出来栄えでした。今回初めてアンサンブルに挑戦したグループも、練習を積み重ねるうち、全体の音楽の流れが聞けるようになり、立派な演奏に仕上がりました。幼児から3年生までは歌とパフォーマンスを披露しました。毎年お母様方手作りのかわいい衣装を身にまとった演技はお客様を惹きつけました。たった一回のリハーサルで本番を完璧に仕上げてしまう子供たちの集中力はすごいです。

そして、物語のクライマックスで流れる曲「ふたたび」をバックに竜が空を飛んで帰るシーンでは、実際に、お母様制作の竜の舞を披露し、会場は大いに盛り上がりました。その竜のクオリティーの高さにびっくりです。

今回もこの発表会のステージを作り上げるために係わってくださった宮崎先生、ラ・ルーナ、ララJの皆さん、お母様、お父様方、OB、OGの皆さん、そして劇場のスタッフの皆さんには感謝して止みません。ありがとうございました。

森下富未